カレンダーをめくれば、最新作『パワフルプロ野球2026-2027』の発売日である6月11日(木)まで、あと54日。
この期待と不安が入り混じる絶好のタイミングで、私はX(旧:Twitter)でかねてより交流のあった査定勢のギョドン(パワプロたんのブログ)さんと、都内の居酒屋でサシ飲みをしてきました。
お互い「実在選手の再現査定」をライフワークとする身。初対面の挨拶もそこそこに、飲み物が届く頃には最新作のメディア情報を肴にした、解像度の高すぎる議論が幕を開けました。
1. 新変化球がもたらす「解釈」のパラダイムシフト
まず話題に上がったのは、今作から追加される「シンキングスプリット」や「ファストチェンジ」といった新球種についてです。メディアで公開された挙動を見る限り、これらは既存の「Hシンカー」や「サークルチェンジ」の名義変更に近い性質を持っているのではないか?という疑念が浮上しました。


ここで査定勢として頭を悩ませるのが、「レジェンド選手への適用」という高い壁です。
「1980年代の投手に『ファストチェンジ』という現代的なネーミングの球種を付けて、その選手の持つ“時代感”や“オーラ”を壊してしまわないか?」
リアリティを追求するからこそ、新名称がもたらす時代考証的な違和感をどう処理すべきか。単なるデータの置き換えではなく、その選手の「歴史的文脈」を守るためのこだわりについて、熱い火花を散らしました。
2. 「特能」は役割の証明か、それとも印象か
新特殊能力の「火消し」と「死球集中」についても、議論は止まりません。特に今作から「HIKESHI賞*1」が新設されることに呼応した(であろう)「火消し」能力。これをどう運用すべきか。


- 現代のセットアッパー・クローザーに付けるのは当然。
- しかし、議論が及んだのは金田正一氏、稲尾和久氏、工藤公康氏*2といった、先発完投が当たり前だった時代の鉄腕たちへの適用です。
「先発で投げ、勝負所でリリーフとしても登板して勝ち星を積み上げた彼らに、この特能を付けるのは正解なのか?」
単なるスキルの有無ではなく、その選手の「格」や「当時の起用法の凄み」を表現するための手段として、特能をどう再定義すべきか。居酒屋のテーブルが、さながら査定委員会の会議室のような緊張感に包まれた瞬間でした。
3. 「金特・能力値S」という禁断の果実との向き合い方
ハンギョドンさんと最も共鳴し、かつ最も深い溜息が漏れたのが、「査定のインフレ」についてです。
ハンギョドンさんは本来「金特(超特殊能力)は付けない派」。私も、オールCが平均、Bで一流、Aは怪物とされていた「かつてのパワプロ」の感覚をベースにしているため、能力値「S」や金特を並べることには今でも強い抵抗感があります。
しかし、昨今の公式査定は明らかにインフレ傾向にあり、自作選手をそれらと並べた際の見栄えや、対戦時のバランスを考えると、「そろそろ自分の美学を曲げてでも、公式のスタンダードに歩み寄るべきなのか?」というジレンマに陥ります。
「古き良き査定」と「現代の派手な査定」の狭間で揺れる葛藤は、長年この趣味を続けている人間だからこそ分かち合える、甘美で苦い悩みでした。
4. WBCモードと「世界基準」という泥沼
今作の目玉であるWBCモードについても、査定屋の視点は冷徹かつ情熱的です。最も困難なのは、海外選手の再現における「基準値(D)」をどこに置くかという問題でした。
- 前年のスタッツをベースにするのか、あるいは大会直後の2009年シーズン(例:2009年WBC再現の場合)まで加味するのか。
- メジャーリーグ、日本プロ野球、韓国リーグ、あるいは中南米のリーグ。レベルが異なる各国の選手を同じ土俵に並べる際、何を「D(平均)」と定義するのか。
「海外再現勢」の増加が予想される新作において、自分たちが納得できる「世界基準のモノサシ」をどう作るか。これは答えのない、しかし終わりのない、査定という名の知的な冒険です。
結び:54日後の「第一投」に向けて
気づけば数時間が経過し、夜も更けていました(嘘です。実際には5時間程度語っていました)。最後は「新作の最初に誰を作るか」、そして「現行作(2024)のラストを飾る再現選手は誰にするか」という話題で締めくくりました。
54日後、私たちは新しいシステム、新しい特殊能力、そして新しい葛藤が待ち受ける未知の海に飛び込むことになります。
ギョドンさん、最高の夜をありがとうございました。新作が発売され、お互いの「答え」が出揃った頃、またその選手データを見せ合いながら乾杯しましょう。そして、皆さん。またオフ会をやりましょう。
この日の議論を反映して、『2026-2027』の栄えある第1号選手は……。
その正体は、新作のシステムを実際に触ってみてから、このブログで公開したいと思います。お楽しみに!